トルコ料理紀行 ~全土制覇へ!食探求の旅~

トルコ料理を紐解く旅に出かけた。トルコ中をくまなく旅し、食べまくり、触れ合いのなかでトルコの食を探し求めていく。

中国新聞・海外メールに”薬や香水に 重宝な果物”と題して、マルメロの記事が掲載されました

中国新聞・海外レポート 第25回目

 

今回は食材をテーマにレポートしてみます。

秋から冬にかけて、実をつけるAYVA(アイワ)と呼ばれる果物です。

日本ではマルメロで、カリンににた果物。

 

アイワは果物の中でも調理することで、その実力を発揮する果物。

そのまま食べると、甘さは感じますが、渋さが際立ちます。

トルコ人は食後にフルーツを食べる習慣もあり、このアイワもそのままでよく食べます。

 

お菓子屋さんでは、アイワを砂糖でにたお菓子が作られます。

食紅を使って、真っ赤に染める簡単なやり方もありますが、マルメロの種を多めに一緒にいれて煮ると、自然の力で天然の赤い色が出るようです。

これは店によって、ただ甘いだけのものがあるから注意。

 

中の種をくり抜いて、マルメロを丸ごと煮たお菓子には、カイマックと呼ばれる乳脂肪をのせて食べます。

カロリーは一気に上がりますが、とてもクリーミーで甘さも和らぎます。

トルコの甘さに慣れ、美味しいと感じ始めている人には、是非食べていただきたい!

 

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レポ―トにも書いていますが、歴史ある素材で、様々な用途に使われています。

 

料理に使われるときもくり抜いたアイワに挽肉とお米を詰めて炊き上げると、予想以上に肉との相性がいい事がわかります。

煮こんでも崩れにくく、渋みもとれ、しかもいい香りが残る。

 

レストランのメイン料理にはとてもインパクトもあり、いいと思いました。

 

摩り下ろして、ジャムにするのも美味しい。カリカリの村のバゲットに塗って食べるとこれまた美味しかった。

 

オスマン帝国時代に肉料理にアイワやスモモを一緒ににて、酸味や甘みを加えていたというから、意外な力と歴史を持つ果物って事で、とても興味深い果物に思えてきたんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中国新聞・海外メールに”子ども喜ぶ冬のつまみ”の記事が掲載されました

 

中国新聞・海外レポート

第17回目”子ども喜ぶ冬のつまみ”という記事が掲載されました。

 

エーゲ海地方と中央アナトリア地方のちょうど境目にあるアフヨン県でのリポートです。

アフヨンで郷土料理を出しているレストランに訪問したのがきっかけで、

そこで働いていたシェフに、村を案内したい、家に来ないか?と誘われた。

現地のアフヨンで採用され、彼は市内から村へ乗り合いバスで1時間程度

 

そこは村の中の村

 

家でごちそうになった郷土料理のあとに出たポップコーンの味が忘れられなくて、

それでレポートしたんです。

 

ではどうぞ。

 

 

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 日本で食べる黄色いトウモロコシじゃなくて、紫色のは始めた食べました。

 ほんとうに味がよくて、感動して、ついつい子供と同じペースで食べてしまったのでした。

 意外や意外なところに、感動が待っていましたね。

 

 自家製で天然乾燥したトウモロコシ。

 簡単に出来るし、安いし、美味しいし、この環境を羨ましく思いました。

 黄色いトウモロコシじゃあ、あまり感動はなかったと思うけど、

 紫トウモロコシだったからでしょうね。

 

 ポップコーン用のトウモロコシを育てたいって思ってしまいます。

 ほんの少し、油と塩を入れたら抜群に美味しい!

 

 彼らは敬虔なイスラムなのでお酒は飲まないですけど、ビールと一緒なら、更に最高です。市販のポップコーンなんてって思いました。

 そこで食べた出来立ての黄色のトウモロコシと出さえ、かなりの味の差があったのですから。

 

 トルコ振り返ると、いろんな思い出と共に味がよみがえってきますね。

欲しかった郷土料理の記念切手をゲット

 

 2013年にアダナの郵便局でたまたま手にした郷土料理の記念切手。

 7つの地方で代表する料理が4つ選ばれて切手となっている。

 

 2013年には中央アナトリア地方が発行されていたけど、それは第2弾という事を後で知ったのだ。

 ということは、第1弾があるという事。

 ネットで調べてみると、その前の年に黒海地方の記念切手が発行されているではないか!

 

 どうにかして手に入れなければ。

 

 いろんな郵便局に聞いても、昨年の物だから手元にないと答えるのみ。

 日本に帰国してからもネットで探してみると、個人的にネットで売りに出している人もいた。

 

 めんどくさい

 

 再びトルコに行ってからも、第1弾の記念切手が欲しいと願っていた。

 首都アンカラの中央郵便局には切手博物館があり、そこで記念切手を販売しているという情報をゲット。

 

 わざわざ切手の為だけには行けないから、アンカラを郷土料理を調査をする時期に合わせて、行ってみることにした。

 

本当にあるのだろうか?

 

係りの人も、無くなってしまえば完売で終わりというし、

 

でも無事にゲット!

 

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 黒海の料理は基本地味だけど、上品なデザインに仕上げている。

 

 7シリーズものだから、1つでも欠けるのは嫌だ。

 

 切手になった黒海の料理は

     左上 MIHLAMA(ムフラマ)  トルコ版のチーズフォンドゥ

     左下 KARALAHANA DOLMASI    黒キャベツの詰め物

     右上 HAMSİ TAVA                       カタクチイワシのフライパン焼き

     右下 TURŞU KAVURMA             ピクルスの炒めもの

 

   という風に、地味だがしっかりと黒海料理の特徴をつかんだ4品。

   

   ただ、これらの料理は主に黒海でもその特徴が顕著な東部地方。

  

   黒海はトルコの南東部のように気候や土地に恵まれていない。

   海はあるけど、それ以外は急斜面の山々

   小麦や穀物を育てるだけの土地もない。

 

   栽培できるのは主食はトウモロコシ、葉物は黒キャベツ

   魚はカタクチイワシ  高原で飼育する牛からとる乳製品

   保存方法は塩漬け

 

   記念切手を7シリーズ集めるだけでも、十分地域性がわかると思う。

  

   素晴らしい企画だけど、毎年1シリーズしか出ないのが残念。

   7年も待てないーーー!

   気が遠くなるけど、集めた時には7年越しになるのだから、感慨深いだろうな。

   ちょうど僕が郷土料理の旅をしている時にこんなうれしい企画をしてくれたのだから、嬉しい。

    

   まあ1つずつ、1つずつ集めていこう!

   

 

   

   

   

   

タンドールの後に

 

 トルコのカッパドキア地方・ネブシェヒールでは、9月中旬から冬に向けての保存食作りが盛んになる。

 その中でも、タンドールと呼ばれる土で作った窯を使ってのユフカ(薄焼きパン)作りと、ブドウ栽培が盛んな地域ならではのペクメズ作りがその代表と言える。

 タンドールの上に鉄板を置いて、下から火を燃やしながら焼く。

 家族や近所が共同作業で行う場合も多い。

 

 というのも、ユフカ作りは何十枚も何百枚も作らなければならないからだ。

 それを上に重ねていき、食べる時には水をふりかけて湿らせて食べる。

 乾燥した地域だから、薄焼きのパンの保存もきく。

 乾燥したものでも、手持ちにあれば、いざというときに簡単な食事になる。

 

 ペクメズもまた重要な冬の保存食の一つ。

 ぶどうの果汁を絞って、それを煮詰めて出来る濃厚なシロップともいえる。

 朝食でパンに浸して食べるほかに、冬に風邪を引いて喉が痛くなったら、そのまま舐めたりする。料理においては、カユス・ヤハニと呼ばれる、アンズと肉、ひよこ豆をペクメズで煮るというものがある。デザートは煎った小麦粉にペクメズを加えて、練り菓子を作ったりする。

 使い勝手のいいペクメズは、保存食の中でも優先順位は高い。

 

 ユフカしかり、ペクメズしかり、これらはタンドールや窯を必要とし、大きな火力もいる。

 その作業が終わる頃には、薪もおき炭に変わっている。

 

 その炭を無駄にすまいと、そこへじゃがいもを放り込む。茄子もついでに放り込む。

 そこでチャイをそこで沸かしたり、土製の鍋に白インゲンを入れて、じっくりコトコト煮込こんだり。

 

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 じゃがいもがホクホクに出来上がると、おばあさんがそれを手で真っ二つに割って、ドライミントと赤唐辛子、塩を振り、また元に戻してなじませる。

 

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  ほれっ、食べてみ!と勧めてくるおばあちゃん。

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  白インゲンも出来上がると、土鍋から出して、みんなで頂いた。

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  弱火の炭でじっくり煮込んだ柔らかい豆、ほっくりした芋、やわらかいお湯で作ったお茶。

  素朴なものばかりだが、どれをとっても愛情が感じられる優しい味がする。

  

  昔、実家で手作りの豆腐やこんにゃくを作った時や、薪で炊いた風呂を沸かした時など、そこで出来る炭を七輪へ入れて煮物を作ったりしていたことを思い出す。

 

  トルコも日本もしていることは同じで、より身近に感じたのだった。

 

  

 

中国新聞の夕刊に記事が掲載されました。チョルム県・イスキリップ編

 

中国新聞の夕刊にチョルム県・イスキリップの名物の米料理についての記事が掲載されました。

オスマン時代から続く料理で、大勢のお腹を満たすのに欠かせない郷土料理だそうです。

密着して見学させてもらいました。

 

長時間かけて、肉を柔らかくし、その煮た蒸気で更にピラフに肉の香りをつけるというもの。

 

正直、長時間調理してまで美味しいのか?と問われると、難しい返答になりますが、昔の時代背景を考えると、その当時としてはかなり豪華なふるまいだったと思います。

 

日本での味覚とを比べると、物足りなさを感じますが、トルコではまだまだその当時の味覚をそのまま持ち続けられているのでしょう。

そして伝統となればなおのこと。

 

しかし、トルコ特有の大人数のお腹を満たし、共有、共感、分かち合いという考えに基づけば、この大鍋料理は理にかなった食べ物です。

 

調理方法も、豪快で圧巻。

ずらりと並べられた大鍋の側で、職人と一緒に、夜遅くまでチャイを飲みながら交わしたひと時は、格別でした。

 

海外レポートのコーナーの限定された文字数の中で、どれだけ伝えられたかわかりませんが、ベストショットな写真で臨場感が出せたことはよかったと思います。

 

 

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念願の切手をゲット!

 2013年に9月頃にアダナへ言った時の事、たまたま郵便局から手紙を出そうとして、切手を買ったら、トルコの郷土料理がデザインされた切手をくれたのでした。

 

 中央アナトリアの郷土料理をめいいっぱい紹介してあり、一目ぼれしてしまったのです。

 

 どうやらシリーズ化されているようでしたが、郵便局員はもう売り切れの一点張りで情報がえられなかったのです。

 ネットで詳しく調べると、2012年に黒海地方の切手がすでに発売されていましたが、どの郵便局に行っても取扱いなし。

 そして2014年にも東南トルコ地方のものも発売されましたが、行く郵便局すべて取扱いなし。

 

 今回の旅でどうにかゲットしたいと願っておりましたが、チャンクルという郵便局に行った時の事でした。

 丁寧な職員さんが、首都アンカラにある切手博物館に行けば、記念切手の販売をしています。とアドバイスしてくれたのです。

 

 チャンクルはちょうどアンカラの手前で、次にアンカラに行くことにしていたので、渡りに舟。

 

 何ともグッドなタイミングでの情報だったことか。

 

 数日後アンカラへ向かい、早速博物館と向かいました。

 そこでは販売コーナーがあり、数多くの記念切手を買い求めることが出来るようでした。自分が欲しい郷土料理の記念切手を求めると、難なく出してくれたのです。

 

 現在は2012年 黒海地方

    2013年 中央アナトリア地方

    2014年 東南トルコ地方

  今年はアンテプ、ウルファ、マルディン、キリスの料理が紹介されています。

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 となり、トルコは7つの地域に分かれているので、このままいけば4年後にすべてがそろうことになります。

 はたして、そこまでトルコの郵便局が頑張ってくれるでしょうか?

 

 その他博物館では、過去に発行された料理の切手の展示もありましたし、イスタンブール征服時を描いた切手も興味深かったですね。

 

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 博物館の入場料は無料で、時間があればもっとゆっくり見たかったです。

 

 

スルック・ケバブの仕込みを見学

ドゥラアンには名物スルックケバブを出す店は数店。

スルックケバブのスルックとは竹竿。つまり竿を子羊に突き刺して、回しながら焼く肉料理である。

 

紹介していただいた店に夜の8時に来なさいと言うアポを取っていた。

 

まずは店主を含め、その家族と顔合わせ。

トルコによくある習慣。

そしてまずはお客さんに腹ごしらえと言うので、そのケバブをごちそうになり、その後でセマーウェルを使ってチャイを入れてもらった。

チャイを飲みながら、まずは店主が僕が何者か?どんなやつか?と交流を始める。

 

職人としてのプライドがあるから、この料理も調べに遠く日本からやって来たこともあり、見たいという意思もすぐに伝わり、話もすぐに盛り上がった。

 

店主の息子たちもちょうど帰省しており、店を手伝っていて、みんなでチャイを囲みおしゃべりで交流し合った。

 

セマーウェルというお茶入れも、現在広まっているガスコンロの上で作るものではなくて、おきた炭を中に入れて湯を沸かし、その蒸気でお茶を蒸す。

子羊を焼く際に出る炭をこのセマーウェルに入れてお茶を作る。

 

秋口の冷えた夜にはもってこいのお茶だ。

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準備の見学よりも、まずはお互いを知り合う事が大事。

心の行き来、お互いがおしゃべりを通じて呼吸をし合う。

その呼吸がスムーズに行けば、物事もスムーズに、そしてより広がっていく。

トルコで何が大事かって、この始めのお互いを知る所が本当に重要だと思う。

 

自分で言うのもなんだけど、自分がトルコの呼吸に合わせられるのか、それともいつの間にかその感覚を自分で身に着けたのかわからないが、それは得意とするところとなった。

 

さて、1時間以上のおしゃべりもほどほどに、仕込みへと入った。

6~7か月の子羊の頭を取った状態で竿に刺す。

頭はこの店では焼いていないが、これらをまとめてステンの箱に入れて、パン屋の窯でオーヴン焼きするという。

出来上がると、店頭でケッレという商品として売るのだそうだ。

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回転が上手く行くように、脚と交差させ、手は切って、こうさせた脚へ刺す。

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刺した手の部分は、焼きあがった時に、シェケルレメと言って、お客さんへの味見用にするそうだ。

 

その後内臓を取ったお腹の部分は、糸で縫う。

縫う前に一掴みの塩を腹の中に擦り込む。

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縫わなければ、焼く際、すぐに中に火が通って焦げてしまうという。

紐で縫って空洞にしておくことで、蒸気で柔らかくゆっくり焼けるという。

 

子羊の中でも小さいものは脂身も少ないので、内臓の脂分で表面を覆って焼くのだそう。通常はこのままじっくり薪の火で3時間回しながら焼くらしい。

 

明日は町の中心で週に1度の市場が開かれるので、1頭多い3頭焼く予定。

3頭すべて同じ工程で準備完了。

 

塩味もほんのり程度で、ソースも味付けもなく、そのままあぶり焼きするようだ。

まさに原始的なドネルケバブである。

 

明日の早朝7時に火をつけ始めるとのことで打ち合わせも完了。どんな焼け方をするのかが楽しみだ。

 

その後知り合った方たちとお酒じゃなくて、チャイで夜中まで語り合った。

 

 

 

 

スィノップからドゥラアンへ

スィノップ県のどの名物を調べようと考え込む。

スィノップの名物もいろいろあるが、見ごたえがあって面白そうなもの、、。

4年前、スィノップ県の内陸部にあるボヤバットを訪ねた時に、子羊の丸焼きのようなものを見たことがあった。

その時は、単なる肉焼きとだけ認識していて、あまり興味の対象ではなかった。

 

今回改めてスィノップ県を訪ねてみると、2度目の訪問だからなのか、以前とは違うものに興味がいく。

そしてそのケバブについて人に尋ねてみると、ボヤバットの町以外にもこのケバブで有名なドゥラアンという町があるという。

話を聞いていると、とても単なる丸焼きには思えず、逆に行ってみたくなった。

 

 

スィノップの中心からボヤバットまで約2時間。そこからドゥラアンという町まで30分。ボヤバットからドゥラアンへはバスがないので、乗り合いタクシーに乗る。

これは通常のタクシーではないので、4人集まれば出発。一人8リラ(400円)で行ける。

 

知り合った方にドゥラアンの友人にコンタクトしていただき、今回案内してもらえることになった。

ホテルはないので、教員宿舎へ荷物を置いた。

 

市長さん他、数か所あいさつに訪れた後、少し近隣をドライブ。

この地域は今、お米も収穫の繁忙期。

刈り取ったところは、すでにモミを天日干ししている。

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トルコで米の収穫を見れたのは今回が初めて。

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ヨーロッパからの機械を導入し、一気に刈り取る。モミと藁が分かれ、藁は粉砕して田んぼへ。

モミはトラクターで運び乾燥。

 

機械が刈り獲れないところは手狩り。

 

日本のようにきれいに育苗して、田植え機で植えていないのだそう。

モミを直播しているため、間隔が摘んでいる。

こうすると米同士で栄養を取り合うし、収穫量も半分だそう。

 

ただモミから苗に育苗する施設や技術がまだまだ伝わっていないし、それをする手間と経費があるのなら、生産量が落ちても、直播したほうがいいとの事。

 

とても、日本の近代的な米作についても興味があったよう。雑草の駆除にかなり手こずっているので、どうにか日本の薬か作り方で解決してほしいとの願いも受けた。

 

米の収穫を見ていると日本と錯覚してしまう瞬間もあるが、でもやはりトルコ。

 

トルコでも土地の名前で商標登録がなされているのは、カスタモヌ県のトスヤとスィノップ県のドゥラアンだそうだ。

カスタモヌには商標はまだだが、オスマンジュック米が近年名を知らしめた。ここの米もほとんどオスマンジュックとしてプリントされブランド米として売られているという。

 

トルコの米はイランやインド、タイとは違い長いお米は食べない。

パスタのように茹でてザル上げする方法もしない。

種類によっては、日本米と同じようなふっくら丸いお米もあるので、とても食べやすい。

 

ここのピラフを食べたが、炊き方が良かったのか、産地のお陰か、新米だったのか、とてもおいしくいただいた。

 

中国新聞の夕刊に記事が掲載されました。ムーラ編

 

今回改めて料理紀行を再開して初めての新聞掲載となりました。

まずはトルコ西部のエーゲ海のリゾート地・ボドルムでの記事です。

2年前にボドルムで調査の仕事をさせていただいたときに、泊まったホテルへ今回も宿泊したのです。前回は3月だったお陰でリゾートシーズンに入る前で、お客も少なく、とてもいい触れ合いが出来たのでした。

今回訪れたのは8月上旬で、逆に繁忙期。

それでも料理の話で盛り上がると、僕に気を使ってくれて、ホテルの調理担当のスルタンさんがズッキーニの花を使ってフライを作ってくれたのです。

今回はそれを記事にしました。

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記事が載ったことを報告すると、ホテルのオーナー共々喜んでくれたと同時にとても驚いていました。今度来るときは、料理もいっぱい作って、お酒も一緒に飲みましょうって。

勿論ホテルのお客じゃなくてという、ありがたい言葉も。

 

お言葉に甘えて、来年の春辺りにまた伺いたいものです。

 

 

続いては、同じムーラ県の中心ムーラへ。

そこにはムーラケバブという名物があるというのです。

朝早くから売り始め、9時には完売という料理でした。

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頑固そうな職人のオーナーが店を仕切ります。

 

トルコの各地にはいろんな朝飯が存在するのですが、ここにもそれがありました。

オーラックという子ヤギを煮込んだ透明で澄んだスープにパンをちぎって染み込ませて食べます。

子羊は脂身が多いけど、子ヤギは少なくスープに適していると言います。

 

肉はだめですが、汁のお変わりはあり。

そこへ、お腹いっぱいになるまでパンを浸み込ませて食べます。

常連客にはスープのみを注文する人が居たのは驚きでした。

 

朝から男連中が続々と朝飯を食べ、仕事へと向かいます。

地元に根付いた朝飯を今回レポートしました。

 

 

 

 

 

乾燥させた茄子の皮でドルマ~ブルダンの結婚式の準備~

ブルダンを散策していると、乾物屋さんに良く吊るされているのが、乾燥茄子。

トルコの内陸部は乾燥しているので、茄子の中をくり抜いて乾燥させ、保存食として冬にドルマ(詰め物)を作って食べることはよくある。

 

しかし、ここブルダンはピーマンやズッキーニよりもはるかに多くの茄子が吊るされていたので、すぐに疑問符が頭の中を巡った。

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偶然通りかかった店の前で、大人数の料理の準備をしていたので、伺ってみると、

明日の結婚式の為にケータリングの準備をしているとのことだった。

つまり、結婚式用の料理をこのお店がすべて賄う事らしい。

 

何を作るのだろうか?

 

メインのケシケキ(麦粥)と漬物、デザート、スープ、ひよこ豆の煮もの、そして乾燥茄子を使ったドルマだという。

 

どうやらブルダンでは大勢集まった時の食事の一つに茄子のドルマがあるという。

 

それで茄子の需要の多さがわかった。

だから乾燥なすが以上に多く吊るされているわけだ。

 

夏だから新鮮な茄子でもドルマは作るのだが、大人数を作る場合、乾燥させて、くり抜いてあるものの方が、型崩れもしにくいし、作るのが簡単だからだそう。

 

乾燥茄子を一度茹でて、柔らかくした後、紐から外し、水を切る。

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そこに米を洗い、数時間浸けて水切る。

そこへパセリ、黒コショウ、赤唐辛子、塩、予め炒めておいた羊の挽肉とトマトペーストを混ぜたものを合わせる。

 

具の用意が出来たら、後は茄子に詰めていく。

 

すると、店にどんどん婦人たちが入ってくる。

 

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オーナーの妻、親せき、近所の婦人があつまり、一斉に茄子にお米を詰めていく。

大量の具を詰めるのに、時間がかかるなと思ってはいたけど、そんなのはトルコでは心配ご無用。

 

トルコでは人海戦術があった。

 

2時間程で何と1300個程のドルマを作った。

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詰めたものをこうして大きなトレイにきれいに並べていく。

 

具が多いだの、少ないだの言いながら、

すぐに話は切り替わり、家庭の愚痴を言い始める。

すると、また話は変わり、電化製品の話など、、、。

2時間の間に婦人たちの話は、あっちこっち。

 

それでも、たまには僕ら夫婦の話をしながら、ついに2時間で詰めてしまった。

 

翌日朝に火を入れるので、今日はこれで終了。

 

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翌日11時には食事の用意を完璧にするため、逆算して順々に鍋に火を入れていく。

トマトペーストを入れた水を入れて、一気に炊き上げること40分。そして弱火で蒸らす。

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続々と結婚式に参列者がサロンに入ってくる。

 

各種料理を1種類ずつ並べていく。

 

僕らもお客さん扱いになり、食べさせてもらうことに。

 

茄子の皮だから、そんなに茄子の味を感じるほどでもないが、茄子の皮独特の食感は感じることが出来る。

お米に混ぜられた挽肉がしっかりと旨みを出している。

 

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トルコでは結婚式には何人来ても構わない。

僕たちのような行きすがりの外国人でさえも歓迎される。

 

立派な料理というよりも、心から作った料理を、多くの人と分かち合うことが一番大事。同じ食事を食べて、祝福を共有することが大事。

 

そういう点では、参列者が決まっている日本の祝い事よりも懐が深い。