ひよこ豆をすり潰したペースト・フムスの故郷へ
アンタクヤの港町イスケンデルンに来て、街を散策していると目についたお店があった。
それはフムス屋さん。
フムスと言っても、知ってる人知らない人がはっきりする食べもの。
アラビア料理店では必ずと言って出てくる代表的な食べ物だから。
でも、それが何故このトルコで?って思う人もいると思うけど、トルコは南にシリアと接してるし、昔はこのアンタクヤという地域は今のシリアのハレッポを中心としたアラビア圏だったから、今はトルコ内にあるけど、その文化がそのまま残っていると言う訳。
トルコ国内でも南東部とキプロスのみこのフムスを食べる
今でもこの地域はアラブ系の血を引いた人も多い。でもトルコ人もアラブ人も同じ地域に共存していたし、フムスと言う食べ物が多く食べられていたのだから、住んでいた住民にとってはどちらの食べ物だとかいう観念はない。
フムスはひよこ豆を茹でてすり潰してから、ターヒント呼ばれるごまペースト、オリーブオイル、レモン、にんにく、クミンなどを加えてペースト状にしたもの。よくメイン料理の前に冷たい前菜として出てくるのが主流だ。これをパンをつけて食べるのが通常。
でもここのお店は、前菜としてではなく、食事としてフムスだけを出すお店。
種類も3つしかないという、かなりこだわりと強気なお店。
話にきくと、昔はもっとフムス屋さんも多かったけど、いまでは専門店としてはここのみらしい。おとうさんが亡くなった時に、その店と味を絶やさぬようにと、後を引き継いだという。
ペーストを手慣れた手つきで皿にのばしていく。
1日目に食べたのが、フムスの上にオムレツが乗っかったもの。
特に若い人の注文がおおいとか。
フムスにオムレツって、結構ボリュームがあったなー。
この組み合わせは初めてだったけど、オムレツは何でも合うのかな?
2日目には、フムス・パチャというお勧めのメニュー。
皿に、小さく切ったパン生地をのせて、その上からフムスをひよこ豆を茹でた汁で延ばして、上からかけるものだ。
これは限定メニュー。前の日にこれを食べようと思ったけど、午前中に売り切れてて、次の日に食べた程。
店に居ると、結構これを注文する人が多いし、品切れの時のお客さんが残念がる光景が印象的だったなーー。
パンが柔らかくなっているから、すごく食べやすい。歯の悪い中高年には、ぺろっと食べられると思うなー。それでいて栄養価もあるし、お腹に入ると豆とパンが膨らんで腹もちがいい。
以前地元島根の野外の祭りで、アラビア風・ひよこ豆のディップとして露店で売った事があったなー。
フムスには何かとご縁があったが、その故郷にようやくこれて、フムスは生活に密着した形で食べられてるのだと見ることが出来た。
こういう専門的なお店はこれからも続いていってほしいな。フムスをこよなく愛してたし。
来年もこの地域には来ることになるだろうけど、これを食べずしてはいられないだろうな。