中国新聞・海外メールに”人生の節目 濃厚な一杯”と題してムッラの記事が掲載されました
中国新聞・海外レポート第32回目
ムッラと呼ばれる濃厚なコーヒーについてです。
ムッラはディヤルバクルというよりも、隣県のマルディン県がより有名です。
アラビアコーヒーと極めて近く、煮だして濾して、煮だして濾して、かなり濃厚なコーヒーを作ります。
それを猪口に大さじ1杯程度。それだけで十分なほど濃くて苦いのです。
エスプレッソよりも濃いから、十分な量です。
所によっては、カルダモンを最後に加える所もあります。
鎮静作用もあり、体をすーっとさせるし、カルダモンは高価なので、お客さんへのおもてなしには適しているのでしょう。
ムッラをサーブする人が被っているカスケットも、オリジナルはディヤルバクルの北に隣接するエラズーが有名。ディヤルバクルはエラズーとマルディンに隣接しているから、混ざった文化も存在するのでしょう。
またマルディンの西隣のウルファ県でも、スラゲジェスィという”持ち回りの宴”というイベントでも出されます。
アラブ人口の多い場所で飲まれているのがよくわかります。
原産国のエチオピアから、対岸のイエメンに伝わり、アラビア半島でイスラム教の神秘主義者に飲まれ始めた。この時は、砕いて煮だすという簡単なことはしても、焙煎手法がなかっただろう。
その後焙煎の手法も見つかり、挽いて煮だすムッラの形になるまでは、かなりの時間を要しただろうな。
それからオスマン帝国の皇帝に献上されてから、一気にトルココーヒーとして、広がり始めます。
今回はレストランでムッラをサーブしながら、郷土の文化を紹介、伝承していくアブドゥルメジットさんを取材できました。
改めてトルコの各地には、いろんな文化があるのだなと実感し、一杯のコーヒーにもロマンがあるなど思いました。