トルコ料理紀行 ~全土制覇へ!食探求の旅~

トルコ料理を紐解く旅に出かけた。トルコ中をくまなく旅し、食べまくり、触れ合いのなかでトルコの食を探し求めていく。

ブルダン名物・グリーン野菜のピデ

 

デニズリ中心では、あまり郷土料理的なものはあまり触れることが出来なかった。

市役所の文化課の担当者との話の中で、ブルダンという町を紹介された。

どこかデニズリの中でも地方へ行ってみたかったので、とてもいい機会になると思い、決断。

 

デニズリの地方と言っても、東西南北あるし、その地方によっても特色が違いわけなのだが、それを言い始めるときりのない話になる。

 

いつものように旅のご縁に従い、デニズリの西部のブルダンへ。

ここは西部のアイドゥン県に近く、よりエーゲ海の特徴を持つ。

 

f:id:Food_trip:20130815171750j:plain

バスターミナルから中型バスで1時間程。

道中にはブドウ畑が多くみられ、収穫し、大型トラックに積み込んでいる光景も目にした。

デニズリはワイン工場もある事から、多くのブドウが栽培されているのも納得がいった。

 

西側に大きな山を背にブルダンはそのふもとにある、とてもこじんまりとした町。

ここは綿を糸にして、機織り機でタオルや生地にする地としても有名なのだそうだ。

綿100%の服やハマム(トルコ風呂用の腰巻)などを売る店が軒を並べている。

 

デニズリにいる20年来のトルコ人の友人アザッドも、ついて来てくれ、一緒に昼ご飯となった。

現地の人に聞くと、オトゥル・ピデが名物というので、早速店へ向かった。

f:id:Food_trip:20130815183358j:plain

オトゥルとは、グリーン野菜の総称ともいえる。

夏のこの時期にはフダン草をメインにして、エベギュメチ、青ネギ、ポロネギ、パセリに卵、2種類のチーズを混ぜて具を作る。冬はホウレンソウがメインだそうだ。

f:id:Food_trip:20130815184321j:plain

昼時で、テイクアウトの注文と、店内、配達も含めて大忙し。

職人が手分けして一気に数百のピザを作り上げる。

具をピデ生地において、両サイドをふさぎ焼く。

f:id:Food_trip:20130815184636j:plain

 きつね色に焼きあがった、見事なオトゥル・ピデ。

 見た目と天然バターのあまーーい香りに、食欲も一気に増進。

 

 外はパリパリ。具も野菜だけながら、物足りなさも感じないし、手と口は休む暇がない。

 ホウレンソウと玉ねぎ、チーズ、卵のピデはあっても、4,5種類グリーン野菜が入っているのは、今まで見たこともなかった。

 肉がなくても、野菜をふんだんに使えるエーゲ海地方ならだろう。

 

 

 アザッドがゴマペースト入りのピデをデザートに食べようというので、それにも挑戦。

f:id:Food_trip:20130815190138j:plain

 ピデ生地にもペーストと油を加えて練りこんで、平らにした後にも表面にもべっとりと塗る。

 

 焦げ付くから、新聞紙の上にのせて窯へ。

 

 

f:id:Food_trip:20130815190905j:plain

 すると、ペーストの表面が小さな気泡でいっぱい。

 熱々加減が伝わってくる。

 

f:id:Food_trip:20130815191354j:plain

 仕上げには、たっぷりの蜂蜜と砕いたクルミが。

 食べやすいように、ひし形に切ってくれているのもありがたい。

 

 僕はすでに激甘だとされるバクラワも美味しいと感じているし、激甘に見えるデザートもうまそーーーと思えるようになってきている。

 

 

 では早速一口!

 

 こ、これはーーー。

 

 ターヒンリ・ピデランキングで、初出場で初のトップに!

 こんなにバランスの取れたピデに出会った事がない。

 

 クルミと蜂蜜が惜しげもなくかかっていて、

 カトメル状になったピデ生地の食感が残っている。

 ゴマペーストも熱を入れることで、きな粉のような香りと味に。

 きな粉餅を食べているようで、とても親近感を感じながらも質の高さに感服。

 

 砂糖なしのチャイと共に食べるターヒンリピデは別腹だった。

 

 今でもこの味を思い出すと恋しくなる。

    Tadı damakta kalsınという言葉通り、味は口蓋で残るように!

    

 トルコでの当たり飯は記憶に残る。

 やはりそれは職人の努力によるもの。

 

 ブルダンを選んで正解、選ばせてもらえて幸運。

  

ムーラ市で食べたもの

 

 ムーラで聞き込みをしていると、どうやらボルルジェ(日本名でササゲ豆)を特に多く消費するという。

 

f:id:Food_trip:20130812005156j:plain

 今の時期はフレッシュなものを摘み取って調理。茹でて、レモン、にんにく、オリーヴオイルで簡単に合わせた冷菜は、ラク(蒸留酒)のあてにもぴったり。

 また

 

この状態でも糸を通して乾燥させることもできる。

 

f:id:Food_trip:20130812175922j:plain

 ボルルジェ・タラトルという料理。オリーヴオイルにトマトペースト、レモン、にんにくを加え、小麦粉でとろみをつける。

 

f:id:Food_trip:20130810021218j:plain

 冬は乾燥豆を茹でてサラダとして食べるのが一般的なのだそうだ。

 

f:id:Food_trip:20130810021150j:plain

 またこの辺りでは、トップ・タルハナという保存食がある。

 小麦の収穫の後、秋になる前に小麦とヨーグルトを練ってから天日干しして作る。冬の時期に主に食べられ、水に浸けて柔らかくしスープにする。このタルハナスープにも乾燥ササゲ豆を入れるという。

 

 ササゲ豆の栽培に適しているのか?ここまで愛している地域も珍しい。

 

 

f:id:Food_trip:20130812175731j:plain

 ポロネギの炒めものも家庭料理にあがる。

 

 いろいろ見ていると、エーゲ海地方は野菜だけで一品が存在するし、冷菜からメインまで野菜だけでも成り立つ。

 トルコ東部は放牧が盛んで肉が豊富で、肉の入っていない料理は料理じゃないと言う。

 その反対に、野草や山菜、ハーヴが豊富なエーゲ海とはある意味真反対の食事。

 

 油にしても、西のオリーヴオイルと東のバター AND 羊の尾の脂

 

 トルコの食は肉料理のイメージが強いけど、決してそうじゃないと感じる。

 西側はお酒も飲むから前菜の種類も多い。

 季節に応じて、旬の野菜を楽しめる地域。

 

 調理法やアレンジは少ないから、一つの食材で一つの冷菜っていうのも多い。逆にいうとシンプルな分食材の味がダイレクトに来る。

 

 いろんな野草や食材の味、風味を楽しむならエーゲだな。

 

 

 

 

 

 

 

 

ムーラの朝飯・ムーラケバブ

 

 今日は早速、昨日バス停で運転手さんが言っていたムーラケバブを食べに早朝6時半に起床。

 

 幸いその食堂がホテルの前だったからよかったのです。

 

 ケマルさんという、この道50年の熟練シェフ。

 この肉料理は、朝限定のスープで、しかも売り切れ御免!

 日にもよるけど数十人分作るみたい。

 昼食にはキョフテ(肉団子)を焼いてるそうだ。

 

 6時開店で9時には確実になくなるという、地元密着の朝限定の朝飯ってわけ。

 

f:id:Food_trip:20130810021307j:plain

 オーラックっていう、子ヤギの部位をオーブンで焼くところから始まる。

 子羊よりも脂身は少ないけど、スープにしたとき、脂っぽくならないし、筋肉質だから味も良く出るそう。

 特にこの辺りは子ヤギの方が好まれてるみたい。

 

 焼いた子ヤギを土鍋に入れて、肉の量に合わせて加える。それを、パン屋の窯を使って12時間じっくり火を通すそうだ。

 この水加減がとても大切で、夜中にも確認しに行くんだって。

 

f:id:Food_trip:20130810130818j:plain

 食堂で出されたのがこれ。

 透き通ったきれいな肉入りのスープ!

 

 黒コショウがかかってるけど、レモンを絞って、これ用のピデをちぎってスープに浸す。このピデだけ食べても美味しいよー。焼きたてで、外はパリパリ。

f:id:Food_trip:20130810131050j:plain

 こんな感じに、ふにゃふにゃに。

 スープの味を吸って、するっと喉を通っていきます。

 

f:id:Food_trip:20130810131901j:plain

 ここで面白いのが、希望すれば、スープだけはお変わりがある。

 店主がスープを足してくれるので、またピデをちぎって増量して、お腹を満たしていく。

 常連さんの中には、なんと裏ワザで、スープだけ注文する人もいた。

 肉がなくても12時間かけて作ったのに変わりはないし、スープが美味しいからと語ってくれた。

 値段も肉入り450円と肉なし200円。

 

 数十分観察がてら座っていたけど、ほぼ男たちの食堂と化していて、入れ替わり立ち代わりこれを食べて仕事に出かける感じ。

 朝から肉料理はこってりと思うけど、好きなご飯を、朝から栄養満点!

 しっかり食べて仕事へ行くのって、いいじゃないか!

 

 トルコ各地にはいろんな朝飯があるけど、早朝に合わせておじさんたちと一緒に食べるのも、楽しいし、旅にメリハリをつけてくれるし、好きなんだよなー。

 

 

 

 

 

ムーラ県の中心・ムーラへ到着

午後3時ごろ、マルマリスで日本からのクライアントともお別れ。

 

妻共々、どこへ向かおうか?

 

東西南北でじゃんけんして決めようか?

 

直前まで決められず、バスターミナルへ。

 

しばし考えた後、ムーラ県の県庁所在地のあるムーラ市へ。

以前、郊外をバスで通った事があったが、面白そうな何かがある感じもなくて、ピンと来ていなかったため気が進まなかった。

 

少し調べてみると、どうやら古民家が立ち並ぶ景観のいい写真が飛び込んできた。

 

その一枚で決断!

 

5分後に出発するミニバスに乗り込んだ。

 

仕事が終わり、バスターミナルに下ろしてもらった直後だったので、いい流れだった。

こういう流れは乗っていこう!ムーラでは逆に面白そうかも!

 

ムーラのバスターミナルでも市内行きの運転手さんにいろいろ教えてもらい、更にワクワクしてきた。

 

夕方、高台に登ってみると素晴らしい景色が!

パノラマ写真で撮ると更にいい。

f:id:Food_trip:20140815061630j:plain

f:id:Food_trip:20130811012124j:plain散策していると、このような変わった煙突を目にする。

ムーラの煙突は有名だそうで、素焼き瓦を27枚使って、煙が効率よく外に出るように計算されているのだそうだ。煙がこもらずに一酸化炭素中毒にならないのだという。

 

1軒に数個の煙突が出ている家も多く、一つは調理用、一つはサロンを温め、一つは子供の部屋に使っているという話も聞いた。

 

中心地には、アラスタという職人の工房が集まっているところがあった。

今は昔とは違い、職人の数も減り、空き家もおおい。

そこでトルコのビール会社のエフェス・ピルセンがここに投資し、多くのバーやレストランを開いたそうだ。

f:id:Food_trip:20130812020344j:plain

ボドルムやマルマリスなどの沿岸のリゾート地ならともかく、内陸の街に投資したというのも興味深い。

 

だが、思惑通り、多くの客が集まり酒を交わしていた。

内陸に入って、こんなにオープンな所は初めてかもしれない。

 

古民家が立ち並び、落ち着いた町なのに、酒場はにぎわっているというのが、僕には不思議に思えた。でもこういう町が存在することにとてもうれしく思ったし、とても居心地が良く感じた。

それでいて治安はいいし。

 

今日はいい選択をしたなと実感。

 

明日から散策開始とする。

 

 

 

ボドルムで贅沢なひと時

 

 

今日の午後、日本からのクライアントが来られ、ボドルムの某ホテルにて顔合わせでした。

ホテル内のレストランにて、顔合わせと昼食をあわせた贅沢なひと時。

ホテルからはボドルム市内を見おろせるほど。

f:id:Food_trip:20130803194752j:plain

 

この絶景たるやーーー!

 

リゾート地とはいえ、いいホテルでなければ、ここまでの景色を見ることは中々できないものです。

 

そして昼食もクオリティーの高い品ばかり。

ボドルムの名物のチョケルトメ・ケバブ

 

f:id:Food_trip:20130803201845j:plain

このインパクトの大きさと言ったら。

 

一番下には水濾しヨーグルトがあり、その上に爪楊枝の大きさに切って、素揚げしたポテト。

一番上には、柔らかい牛肉のフィレ肉が炒めてあります。

これを混ぜながら頂くのですが、ポテトがヨーグルトと肉をからめるのに、ちょうどいいんです。

 

こういう絡め方があるというのは勉強になりますねーー。

少し混ぜただけで、すぐに絡まっていきます。

 

ヨーグルトの酸味、ポテトのカリカリ感、柔らか~い牛肉を口の中でモゴモゴ。

 

そんなに凝った感じには見えませんが、このインパクトと味は満足に値します。勿論同じように作っても、素材の良さがまずは大事な料理だと思います。

 

f:id:Food_trip:20140814142138j:plain

 

その他に、牛肉入りのトルコ式ピデ、ヤギのチーズフライのあんずソース添え、アンティチョークサラダ、各種冷菜などなどに舌鼓。

 

クライアントも初日から大満足でございます。

 

f:id:Food_trip:20130804032138j:plain

ボドルム市内を案内した後、食事はボドルム城を間近にみるレストランで会食。

 

夜にはホテルに戻り、夜景をゆっくり眺めたのです。

 

仕事とはいえ、贅沢な一日を過ごすことが出来たのは感謝以外にありませんね。

 

数日前に泊まったファミリー・ペンションもいいけど、一日くらいは、こういうホテルで過ごすのもやはり必要かな。

 

 

おまけですが、ボドルム散策で見つけた”ちょび髭猫”の紹介します。

f:id:Food_trip:20130802232555j:plain

f:id:Food_trip:20130802234303j:plain

ボドルムは白い家々が入り組んでいて、日陰も多いし、何といっても港町。

猫が町に沢山います。

 

妻と散策中に見つけた猫のちょび髭具合が可愛いので、ついつい追跡してしまいました。

逃げないし、人懐っこいから、余計にかわいい!

 

猫の町は、猫好き、猫探しに街を散策するのも楽しいところ。

街の中を自分から率先して、迷い込んでいくと、きっと可愛い猫に出会うと思いますよ。

 

ズッキーニの花を揚げてみる

 前回の宿泊同様、ミンドス・ペンションの料理担当のスルタンさんと料理話をしていた。

  

 「前回来た春にはキノコや山菜が旬の食材だったよね。それを玉ねぎと炒めて卵で閉じたカヴルマっていうのがあったけど。」

 

 「じゃあ今の旬と言えば夏野菜?」

 と聞くと、

 

 「勿論それもあるけど、ズッキーニの花かな。」

 って答えた。

 

 6月から9月までズッキーニが採れる期間だけ、その花も同じように食べるようだ。

 ズッキーニの花を使った料理と言えば、以前8月に北キプロスに行った時に、花の中にお米を入れて炊いた、カバック・チチェッキ。ドルマスを食べたことがあった。

 一口サイズで食べやすく、さわやかなミント味。オリーブオイルを使う料理だから、冷たくして食べるとよりあじが浸みて美味しい。

 日本でいう手毬寿司感覚の夏らしい食べ物。

 

 そのドルマの話をすると、

 「花は衣に浸けて揚げたほうがもっと美味しいわ」って話になって、、、

 

 「それはまだ食べたことがないなー。美味しそうに話するから、食べたくなるよーー。」

 

 、、で、結局オーナーの計らいで朝食時に作ってあげるという事になったのです。

 

 「あなただから仕方ないわねーーー!」って。

 

 本音では、

 

 よし! しめしめ。

  

 

 

 で、早速ズッキーニの花を買いに出かけたのです。

f:id:Food_trip:20130802165550j:plain

 市場に行く手前にズッキーニの花を発見。

 大きなポリバケツにズッキーニの花をいっぱい詰めてる。

 40個で200円だそう。

 今朝採ったばかりで新鮮そのもの。

 

 そもそもズッキーニの花は夜の間に咲いて、朝から昼までに萎んでしまうそう。

 だから、中に詰め物をするドルマっていう料理には、開いた状態で摘まないと中に詰め物をしにくいのだそうだ。

 今日食べるものは今日採る。それを過ぎればだめなんだとか。

 

 とりあえず40個買って、スルタンさんへ手渡した。

 

f:id:Food_trip:20130803151836j:plain

 花のへたを丁寧に採って、水に浸して軽く洗い、ペーパーの上に置いて、水を切っておきます。

f:id:Food_trip:20130803154517j:plain

 ボールに小麦粉とトウモロコシの粉、またはセモリナ粉を半々に加えて、卵、塩少々、水を加えて衣を作ります。

 花を衣にまぶしながら、オリーヴオイルで揚げて出来上がり。

f:id:Food_trip:20130803153746j:plain

  ヨーグルトを上から変えて食べるとよりおいしい。

  トウモロコシの粉を加えることで外はカリカリ、中はふっくらに仕上がります。

  花の独特な匂いは全くしないし、むしろズッキーニのほのかな香りと甘みも感じますね。食感も滑らかで、油を通すとしっとりで舌に違和感も感じさせないなーー。

  花を食べているという感じは全くしないのです。

   

  トルコでもズッキーニの花を食べるのはエーゲ海や地中海のみで、他の地域の人にはどうやら違和感があるみたい。

  でも一度この味を知ったら、病みつきになるって。

 

  朝から十数個食べたけど、まったく胃もたれもしないし、実に軽い!

  

  貝のように美味しいって例えられるのだけど、野菜でこういう風に何個でも食べれるっていうのは、そういう美味しさがあるってことかな。

   

  オーナーの人達は飽きるほど食べたみたいで、俺たちは要らないって断られました。なので、宿泊のお客さんにも食べてもらいました。そのほうが喜んでもらえました。

  

  9月まで飽きれるほど食べないと、来年までしばらく食べられないからね!

  

  でもこういう旬があるって楽しいこと。そしてまた来年を迎える。

 

 

 

  

 

ボドルムへ到着 

8月1日

トルコの食文化について探求する旅を再び再開。

今回は結婚した妻と一緒に旅することになりました。

前回まで一人で旅していた食紀行も、2人になるとどうなるのでしょうか?

 

さて今回の旅の始まりはエーゲ海地域のリゾート地・ボドルムから。

 

というのも、日本のとある有名な方が取材するにあたり、案内人を務めることになっておりまして、、。

昨年も事前調査をさせていただいており、今回の本調査にも、私を指名していただいたのです。

ノマドで遊牧的な暮らしをしている身でありながら、お仕事が頂けるとは、感謝しきれませんね。

 

それで数日前からこのボドルムに来たのです。

 

宿は昨年3月のローシーズンに見つけた、ミンドスペンション。

とてもアットホームで居心地がよく、前回の滞在でとても仲良くなっていたため、ハイシーズンの今回も予約しておきました。

海にも近いけど、騒がしくないというベストな場所。

f:id:Food_trip:20130801234528j:plain

f:id:Food_trip:20130802152547j:plain

屋上からはボドルム城を見れるし、ここで朝食も出来るのです。

オーナーが自慢のテラスを見せてくれました。

ついでに、彼女のおじいさんが昔日本へ行って買ってきてくれた扇子をとても大事に使っているのだと、見せてくれました。

f:id:Food_trip:20130802225819j:plain

夏のボドルムは春先とは違い、太陽の日差しも海の色も家の白さも全く違います。

海辺を取り囲む白い家々は山へ向かって広がっているし、海に浮かんでるかのような騎士団の造ったボドルム城が堂々と君臨!。

湿気と日差しの強さに正直参りましたが、リゾート地とはこんなものだし、それ故景色も映えるというもの。

 

その後街を散策開始。

まずは前回同様市場から。

今日は偶然にもバスターミナルの2階で市場が開かれてました。

f:id:Food_trip:20130801221719j:plain

前回ボドルムに来た時にお世話になったトルクメンと呼ばれる遊牧民系(すでに長い間定住している)の家族と再会。

いつもここで村で作った自家製のものを市場で売ってるのです。

手打ち麺、卵、焼きパイ、干しぶどう、トマトペースト、焼きパンなどなど、数知れず。

1年ぶりの再会で妻を連れてきた事にとても喜んでくれました。

次来るときは子供と一緒にな!って。

 

f:id:Food_trip:20130801221833j:plain

f:id:Food_trip:20130802181837j:plain

30キロ離れたミラスという所の名物は大きなトレイ一面に作った焼きパイがあるそう。

 

その迫力に感服!デカッ!

 

エーゲ海地方は温暖で湿潤なため、多くのハーブや野草が育ちます。

パセリやフダン草、青ネギ、ホウレンソウ、白チーズが具にふんだんに入ってて、上下を20枚の薄いユフカ(生地を薄く広げたもの)で挟みます。

 

日本では高菜をお焼きにして食べる感じに近いかな。トルコではパイだけど。

 

f:id:Food_trip:20130801222154j:plain

 

一番は相変わらずにぎやか。ボドルムでは週の決まった日に決まったところで市場が開かれているみたい。

 

明日は別のところであるみたいなので、ちょっと足延ばしてみようかな。

 

 

6月30日の中国新聞の夕刊に記事が掲載されました。

 6月30日の中国新聞の夕刊に記事が掲載されました。

今回はトルコの南東部マルディン県・ミディヤットに訪問したときのことです。
トルコ国内イスラム教徒が99%の中で、ここミディヤットにはスリヤーニと呼ばれるキリスト教徒が住んでいます。

この地にキリストあ誕生よりも昔から住み続け居ている彼らは、時代の流れによって、少数派にも数えてもらえない程の存在にもなってきました。

数日間の滞在中、日曜日の朝の教会を訪れ、ミサの後、そこでパンが配られているのを見ました。話を伺うと、パンの表面には12個の十字がかたどられ、それはキリストの12人の使徒を意味するものだそうです。
暮らしの中に宗教上大事な数字が密着しています。

教会の出口には当番の子供がパンをもって立って居ました。
パンは小さくしてあり、訪問者が一かけら取って、口へと運びます。

私の地元でも神事には備えたお米や、お神酒を頂く事があり、それと似ているなと感じました。

数日の滞在でしたが、彼らと会話したり、暮らしぶりを見ていて、血を守り抜きたいという彼らの団結力を感じました。

f:id:Food_trip:20140709153830j:plain

トルコ料理のランチ会 第3回目 その2

 

 さて、続き続き。

 

 正直一番悩んだのはメイン料理。

 1回目は肉団子のトマト煮込み、2回目はトルコのラビオリ・マントゥを作りましたよね。

 

 じゃあ、今回は何を? 

 

 今回はひよこ豆のピラフを作ることにしていたので、見た目のインパクトがあって、しかもごはんに合う食べ物でなきゃなーーー!と考えたんです。

 

 いくつか候補はありましたが、どれにするんだ!

 って、友達が来る1時間前まで決まってなかったのです、、。

 

 ただトマト料理ってなくくりだけ。

 

 そこでとりあえず、鶏肉をトマトベースで煮込んだものを作り、最悪のメインなしは避けました。

 

 少し安心したのか、手持ちの食材で出来るもので思いついたのが、イスリムケバブ。

 

 これです!

 

f:id:Food_trip:20140707093009j:plain

 

 挽肉が少し余っていたので、それをスライスし、揚げた茄子で包んでオーブン焼きしました。

 1つメインを作っていたので、小さなものを添えれば、インパクトもあり、かわいらしいと考えました。

 この形はトルコスタイルと全く同じ。

 トマトと、しし唐をのせて、爪楊枝で刺します。

 

 見た目は最高ーー。

 

 トマトソースとチーズをかけてオーブンで焼くと完成です。 

 

f:id:Food_trip:20140707093027j:plain

  ワンプレートにひよこ豆のピラフ、イスリムケバブ、鶏肉のトマト煮込みを少量ずつ盛りました。

 

  手持ちにいい飾りがなく、シンプルになりましたが、まあ良しとしましょう!

 

  狙い通り、イスリムケバブにも喜んでもらい、美味しいと言ってもらえたので、満足です。

  ぎりぎりで何とか完成させることが出来、ほっ、、。

f:id:Food_trip:20140707093045j:plain

  デザートは、今回もライスプリン。

  トルコのデザートも今後、考えなければならないテーマになってます。

  でも今回は時間もなかったので、水切りヨーグルトを足しました。

  水切りヨーグルトはトルコで食べられるスタイルですが、何とこれ日本でも製品として売られているそうです。しかもギリシャ・ヨーグルトって!

 

  ヨーグルトは遊牧民でもあるトルコ系のオリジナルなのに、ブルガリアヨーグルトとか、ギリシャ・ヨーグルトとか日本は本当にむちゃくちゃ! どれだけイメージ戦略が大事なのだろうか、、、。って、ばやいてしまう。

 

  まあ、それは置いといて、

 

  嫁さんは、友達の誕生日、婚約の為に、ライスプリンに飾りつけをしました。

  前日僕の誕生日にもケーキの上に同じ旗を作ってくれて、喜ばしてくれました。

  その時、同じように作っていたようです。

  

  かなり手が込んでいて、トルコ語と英語でお祝いの言葉が書かれています。

  

  勿論、トルコのチャイも添えて、5時間のゆったりしたランチタイムになりました。

  

  嫁さんの友人なので、嫁もとてもいい時間が過ごせたようです。

 

  そして友達からのプレゼントは、

  

f:id:Food_trip:20140707093111j:plain

 猫型のアイシング・クッキーでした。

 友達も嫁も、猫好きなので、、。

 かなり、仕上がりもいいし、レモンのほのかなアイシングが効いていて、とてもおいしゅう頂きました。

 

 終わった私は、脱力感と燃え尽き症候群で、ぐたっ。

 でも、気持ちよさと疲れが入り混じっている、やや興奮が残り気味。

 

 こういう機会がないとテンションも上がらないし、それには感謝感謝。

 岡山の田舎でも、トルコ料理をふるまえたって言うのは、ありがたい。

 岡山には一つだけトルコレストランあるけど、ここまで時間かけられる準備はないだろうし、それ以上のものを出していると自慢できる。

 

 トルコ料理を初めて口にする人ばかりだから、その意義はあると思うなーー。

 トルコって異文化、エキゾティックなイメージあるけど、トルコ料理ってなかなかイメージしてもらえない。

 エスニック料理が大好きな人ならだけど、食いつきはまだまだ。

 

 でも逆な言い方をすれば、知られていないからこそ、期待以上のものでおもてなしすれば、イメージも一気にくつがえる。

 こちらの狙い通り、お洒落とかって、言ってもらえれば、最高!

 

 今まで食べてくれた友達も、少しはトルコ料理への壁も薄くなったと思うし。

 それでいい。

 

 自分が伝えたい部分とは、まだまだかけ離れているけど、これもまた一つ。

 自分もカフェをしていた時も、そうだった。

 自分の世界観を伝えるのは、本当に難しかった。

 料理を食べてもらって、リピートしてもらって、名前覚えてもらって、定着させるのは、何年も、いやそれ以上かかる。

 

 だから、食文化を伝えたりするのは工夫が必要だなって。

 

 でもまあ、美味しかったトルコ料理! って言ってもらえるだけで、今は十分。

  

 トルコ料理を介して楽しい時間を過ごしてもらえれれば十分!

 

 僕も楽しかったし、これからもどういうパターンでおもてなし出来るか、今後も楽しみだ!

 

 

 

 

第3回目トルコ料理のランチ会 その1

昨日嫁の実家で、またまたトルコ料理のランチ会を開きました
大きく数えれば3回目。細かく言えば、5回目になります
嫁の友人の婚約と誕生日を祝うものでもあり、それをトルコ料理でおもてなしです。

ドリンク・・・レモネード
サラダ・・・ガヴルダー・サラダ
パン・・・・ 自家製パン
スープ・・・トイガ・スープ(ヨーグルトスープ)
前菜・・・・イチリ・キョフテ(挽き割り小麦の挽肉入り団子)
ごはん・・・ひよこ豆のピラフ
メイン・・・イスリム・ケバブ(茄子の包み焼き)
      鶏肉のトマト煮込み
デザート・・フルン・ストラッチ(焼きライスプリン)
      水切りヨーグルトの蜂蜜がけ

今回は前回とメニューを少し変えて、目新しいものを作りました。

 

というのも、過去2回を通じて、マンネリ化は避けたい!

新たに作ってみたい料理に挑戦して見たかった。

でも、やるからには何かインパクトや、面白い料理でないと、、、。

そんな思いで、ぎりぎりまでメニュー選びに悩みました。

 

結局結果オーライで、大成功。

お陰で嫁も新料理を食べれてリフレッシュできたようです。

 

f:id:Food_trip:20140707093213j:plain

今回も本日のメニューの作成!

これには、友達には凝ってるねーーって始めから感動されますね。

これで掴みはOKです。

f:id:Food_trip:20140707092812j:plain

妻は猫好きなので、至る所に猫の演出が!

トルコも猫王国ですしね。

HOŞ GELDİNİZ!

いらっしゃいませ、でご挨拶。

f:id:Food_trip:20140707092845j:plain

 

ガヴルダー・サラダは溶岩山をイメージしたもの。いろんな野菜を水分を抜きながら、丁寧に細かく切って、ザクロソースのドレッシングで和えます。

 

f:id:Food_trip:20140707092903j:plain

 

手作りのパン お客さんの来る時間がずれると、発酵が進みすぎてしまい、、。

でも手作りの噛み応えのあるパンはトルコ料理に合います!

 

f:id:Food_trip:20140707092923j:plain

 

トイガスープはひよこ豆と挽き割り小麦(ブルグル)を入れるヨーグルトスープ。

ヨーグルトはトルコ語ですし、これがなくちゃ、遊牧民だったトルコ人の食文化は語れません!

 

仕上げには溶かしバターにミントを加えて香味油を垂らします。

最後のこのひと手間が、味を深くするんです。

インドの料理でもタルカって言って、別の組み合わせで香味油を作ります。

(バターとクミンとか)

 

今日はブルグルの代わりにお米も入れ、更にとろけるチーズでコクだし。

自家製パンを浸しながら食べていただきました。

 

そして今回力を入れたのは、このイチリキョフテ(具入りの団子の意味)で、トルコ南東部のアラブに近いところの名物です。

トルコでは数多く食べますが、自分で作るのは初めて。

f:id:Food_trip:20140707093137j:plain

挽き割り小麦を生地にして、その中に挽肉、クルミ、パセリ、カレンツを入れて具を作り詰めてから油で揚げます。

 

ほーーら!

 

f:id:Food_trip:20140707092940j:plain

レモンの形がなんとも魅力的!

友達も、この形に興味津々!

 

これまた食感がいいし、アメリカンドッグの食感に近いかな!

具だくさんだし、大大成功でしたね!

色合いも、形もいいし、皿に盛るとトルコ感が更に増します!

 

スパイス感はあまりないし、とても食べやすく、日本人ならきっとうまい!と言ってくれる料理。

 

 

 

その2に続く