中国新聞・海外メールに”猟師スープ 囲む男たち”と題して、アラバシュスープの記事を解説
中国新聞・海外レポート
第17回目 ”猟師のスープ 囲む男たち”
今回はアラバシュというスープについてのレポートです。
このスープは中央アナトリア地方の数県で食べられているスープなのですが、
実際これをレポートを書いたり、話題にしている人はかなりマニアック。
我ながらそう思いますね。
特にこのスープは猟師のスープとも呼ばれていて、そもそもウサギで作るスープなのです。
一度、鶏肉を使ってスープを作ってもらい、レシピを教えていただいていました。
数日後、ウサギが獲れた!という報告がきて、
じゃあ、今度はウサギを使って作ってくれと頼まれたのです。
ウサギを受け取りにいきましたが、獲れたてで、獣臭さがあります。
これを1晩塩水に浸けて、血抜きと臭みを取りました。
真っ赤で、鉄分が多そうなウサギ肉でした。
筋肉があり脂肪が少ない、ウサギの構造を見ました。
皮を剥いで、真っ赤で肉肉しているウサギを見ると、バンパイアの様で、本当に恐ろしかったですね。こんなに真っ赤で鉄分の多そうな肉を扱ったのは初めて。
習ったように、ウサギ肉を煮て、しっかりスープを取ることと、茹でた丸ごとウサギを骨から丁寧にほぐしました。
もう一つ、このスープには、とろんとした外郎のような生地が必要で、これをスプーンですくって、スープに浸して口へと運びます。
生地を食べるというよりは、スープと一緒に流し込むと言った感じです。
だから、生地の硬さもうまくつくらないと美味しく食べられません。
丁寧に作ったお陰で、我ながら大成功。
その夜、知人を招待して食べていただきました。
食べる時は、レモンを絞って、赤唐辛子を加えます。
なので酸味にも辛みにも負けないスープ作りが必要でした。
日本人がこんな郷土のスープ、しかも今ではあまり作られないスープを作って提供したのです。
これにはトルコ人の知人も驚いていました。しかも彼らの胃袋も掴んだようでした。
冬の時期なので、体も温まりました。
世界でもこんなことした人あまりいないと思います。
かなりマニアックな試みでもあり、機会でした。
さあ、それではレポートをお読みください。