ベイシェヒールの秋の風物詩・タルハナ パート1
8月下旬にコンヤ県のベイシェヒールに訪れたのには理由があった。
その時期は冬の保存食を作る時期。
ここではタルハナと呼ばれるヨーグルトと小麦で作られる名物の保存食があり、この時期一斉に作られるとの情報をえたからだ。
本来なら小麦の収穫が終わった後に日照も長く、暑い時期でもある7月にこの作業が行われるのだが、ラマザン(断食月)があった事もあり、それが終わった後にずれ込んだためだった。欲を言えばもう1週間早ければ、住宅地の至る所で見かけることができるそうだ。
初日の聞き込みからの散策で、すでに出来上がったものをよしずの上に並べて干している光景を所々で見ることが出来た。
まさに風物詩とも言える光景!。
食文化を感じる瞬間! こういう光景をみるのが好きなのだ。
このタルハナをこのように風通し良く、2~3日間乾燥させて冬の食材となるようだ。
一度乾燥させておけば日持ちはするし、使いたい時にこれを水で戻してから、スープになるという。
茹でたひよこ豆を加え、仕上げに溶かしバターにミント、赤唐辛子で香味油をたらして出来上がりって。
うーーーん、何と言う保存食!
うなずいていたら、このタルハナを作っていたおばちゃんが是非食べさせたいと、家にあるタルハナを油で揚げて持ってきてくれた。
な、なんとっ!
油で揚げる!?
硬さは完全にクラッカー状態になり、香ばしい香りがする。一口食べてみると、小麦の粒粒がわかるし、チーズのような味がしっかりするし、塩気もいい加減で入ってる。
そっか、乳製品だからなーーー。
無意識に食べていくと、どんどん欲しくなっていった。
やめられない、止まらないはここトルコにもあった!
やばい、、、。
味見程度で良かったのにと思ってたけど、全部食べちゃった。
話しに聞くと、このタルハナは夜の長い冬の時期、お客さんが家にやってきたら、クッキーやお茶の後に、焼くか揚げるかして、相性のいいクルミやナッツと共に出すそうだ。
おしゃべりの友と言う訳だ!
そんで、そんで、、。
農作業に出てる時に、昼ごはんに帰れない時には、このタルハナとクルミをポケットに入れて昼食にするそうだ。
栄養価も高くて、腹もちがいいからすごく重宝するみたいだ。
へーーー、何とも面白い。
日本で言えばお餅の感覚かな――。でもここまで日持ちして、栄養価の高い手軽な保存食って意外とないな、、。
で、、。
更に話は進んで、
実はこのタルハナは昔オスマン帝国時代にエジプト遠征する際にスルタンからこの地域を統括していたものに考えさせたそうだ。
その時に発明されたという言い伝えがある。かれこれ450年前から続いている食文化ということになるけど、、。
でも興味深い事が多いね。
こういうところが好きだなーー。
人間と共に生き続けてきたって事は、実に興味深い。
多くの人が作り続けて、今に至る事が興味深い!
ってな感じで、
「おばちゃん!、もう少しタルハナくれんかね?」